私が所属しているグローバルフューチャークラスの授業の中で、自分にとっての価値観に優先順位をつけるという活動を行った。「楽しさ」「自由」「愛」「平和」「力」「信頼」様々な項目がある中で、自分にとっての優先順位は何か?二人一組になって問いかけるのだ。この授業が私にもたらしたあらたな価値観・仕事観とは何だったのかについて今回は書いていこうと思う。(写真:ブランコチェアでウクレレを弾くデンマーク人の親友)
Nordfyns højskoleグローバルフューチャークラスは、社会福祉クラスと同じく私が所属しているメインクラスで、様々な国籍・背景を持つ学生が異なる価値観を共有し、グローバル市民を目指すコースである。
今回は、自分の持っている価値観に順位を付けるアクティビティを行った。50枚ほどある価値観に関する言葉が書かれたカードの中から、自分が大切にしているものを10枚選び、優先順位を付ける。その後二人一組のチームに分かれ、問いかけを行っていく。問いかけの内容は、例えば2番目のカードと比較し、「本当に1番目のカードの方が重要なのか?」という問いかけだ。それ以外のことは何も聞かない。1位の価値観カード→10位の価値観カード全てに問いかけを行い優先順位を付けていく。
当然、人により言葉の捉え方は様々だ。問いかけにより考えが変ることもある。
そのため、なぜその言葉が自分にとって大切なのかを考えることで、自分の中にある価値観と向き合うことができるのだ。
私の価値観の順位はこうだった。「たのしさ」「自由」「平和」「信頼」「開放性」「コミュニケーション」「冒険」「豊富さ」「教育」「ユーモア」の順になった。
これが私に何をもたらしたのか、それは授業のあと昼食後の昼休みの時間に訪れた。
授業後にデンマーク人の友人二人と校庭にある大きなゆりかごブランコに乗りながら、”Hygge”(心地よい時間を表すデンマーク語)をしていた。
私は、デンマーク人に今日授業でやった価値観の話題を持ち出した。
自分にとっての重要な価値観は「平和」や「楽しさ」で、日本にはこの二つの価値観に一致する労働環境が少ないと思っている。
では、君たちにっとって「Peaceful」で「Joyful」な仕事とは何だと思う?一緒に考えてほしい。と。
その後はぼんやりと桜を見ながら、あーでもない、こーでもないと話をしていた。
するとそこにガーデニングのおじさんが、芝刈り機に乗って通りかかった。
友人と目を見合わせ、これだ!!と思った。
自然に囲まれた、なんだか楽しそうで魅力的な仕事だとそのとき思ったのだった。
その後は、対話はつづくものの、他のしっくりりくる答えを見つけることはできなかった。それは、自分が忙しそうに働く姿しか想像できなかったからだった。
デンマーク人の友達は、仕事を早く終わらせて空いた時間に「peaceful」な時間を作れば良いと教えてくれた。もう一人の友人は私にとっては、乗馬やゴルフも当てはまっていると教えてくれた。そして、両者に当てはまっていたのが、ゆりかごブランコに乗りながら、桜を眺め、友人と話している今こそが、「Peacefull」で「Joyfull」な時間だということだ。
そして、労働環境の話に戻るが、経済大国の日本では「Peaceful」や「Joyful」といった要素を満たす職場は少ないと言えるだろう。ここで問題になるのが、家庭でそれらを育む時間があるかということだ。
上:OECD (http://www.oecdbetterlifeindex.org/topics/work-life-balance/)
日本でも女性の社会進出に伴う、ワーク・ライフバランスは最近話題となっている。OCED(経済開発協力機構)が公表しているワーク・ライフバランスでは、デンマークが38か国中5位、日本は36位と大きく離れている。特に一週間平均で50時間以上の労働をしている割合は、デンマークは2.2%、日本は21.8%と人口は違うが10倍近くの差がある。
仕事以外の時間は、人間にとって非常に重要である。今日の一日、友人と過ごしたような「Peaceful」な時間を日本でも作れば良いなと思う。
今の私にできることは、大学に戻った後、ワーク・ライフバランスについて学び確かな情報を伝えることであろう。
授業から対話につながり、労働環境や将来の仕事について考えた、フォルケホイスコーレらしい一日であった。
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