入学してから、一カ月が経った。最近デンマーク語の上達を感じている。全く上手く話せなかった一ヶ月前と比べ、今ではエリトリア人とデンマーク語で話しながらご飯を食べれるようになった。(彼らは英語を話せないので今まで少し距離があった)
それも、毎日のデンマーク語でのやりとりや、こちらでできたデンマーク語の友達からの教育のおかげだろう。
今回の内容はそんな教育と少し関係している。社会福祉の研修としてデンマークにある様々な教育施設を訪れ、職員や経営者の話を聞いてきた。今回は私がどのような所へ行きどのような違いを感じたかについて共有していこうと思う。
(写真:特別幼稚園にて)
デンマーク施設訪問
私たちが、SOSU(社会福祉コース)として、最初に訪れた施設は地元自治体(北フュンコミューン)の特別幼稚園だった。
特別幼稚園は、デンマークの幼児教育機関の一つで、養護の必要な子供たち(先天性の障害や重複障害をもった子供)の受け入れを行っている。
今回は、子供たちの教育環境の他、デンマークの障がい者教育への取り組み、施設内の設備、職員の労働体制などに着目して見学を行った。
子供たちの一日
この特別幼稚園には12人の何らかの障がいをコミューンに認められた子供たち(0~6歳を受け入れ)がいる。(入学にはオーデンセ障がい病院児童チームの判定が必要)
病院からの情報を受け子供たちの状態に合わせたアクティビティを提供している。
まず、7:30までにタクシーで学校に登校する。
その後毎朝の共同プログラムを受ける。それからは個別のアクティビティとなる
カリキュラムは、日常生活動作のトレーニング、歌、プールでのトレーニングなど多様だ。
その他にも、アクティビティ間の待ち時間に子供たちの好きな遊び(見学に行った時にはプールの順番待ちでブロックパズルをしていた)をしている。
お昼寝の時間
デンマークにも日本と同じお昼寝の時間がある。しかしなんとデンマークの子供たちは、真冬でも外でお昼寝するという。
ある人が理由を尋ねたが→これがデンマーク人何だよと誇らしげに返されていた。
お昼寝用のベットや季節ごとに異なる寝袋が用意され、
外で寝る。職員も子供たちと一緒に外でお昼寝できるように、専用のベットを作ろうと、職員会議で話し合っているそうだ。
職員の一日の流れ
7人のペタゴー(教員とは異なり、生活分野のサポートをする役職)がおり、2人の子供につき1人支援にあたっている。この施設ではペタゴーの他に、作業療法士、理学療法士が一人づつ配置されており、作業療法士は前述のペタゴーとは異なる独自のプログラムのもとリハビリなどの支援を行ってる。
職員内の振り分け担当から配置を聞く→子供が来る前に担当準備→朝食の準備→タクシーで子供到着→子供を誘導→子供の予定に着きそう→お昼寝→外遊び→2時のおやつ→タクシーのお迎えまで自由→子供が居なくなったら帰る。(記録は週に2時間のシフトから外れる時間に書く)
月1回は職員会議がある。
障がいを持つ子供と健常の子供の交流
ここではハンディキャップを持つ子供と健常の子供たちとの交流が普通に行われている、
というのも、特別幼稚園のとなりには保育園が設置されている。
特別幼稚園が6歳までであるのに対し、隣の保育園は0~3歳の子供たち、熟度的に調和がとれているのだとか。
このような交流を活発にするためか、中庭は共有スペースとなっており、保育園の園児たちが取材中に外で元気に遊んでいた。
感想
以上が見学の概要。今回の見学で私が最も驚いたのが職員の労働環境だ。12人の園児に対し、7人のペタゴー。それに加え作業療法士、理学療法士二人がフリーで務めている。それだけでなく、食事や掃除などは業者に委託しており、職員はより子供たちとの時間に手中出来る。ここに日本との違いがあるのではないかと感じた。プロが自分の専門性を最大限に発揮できる環境を整えていられるかがいかに重要かを今回の見学で感じた。
日本ではもっと少ない職員の数で多くの子供をみている。一人で二人をみているデンマークのペタゴーでも、子供との時間がもっと欲しいと思っているのだから、日本の保育士は一人の子供に対しての時間が少ないことにより強い不満を持っているのではないか。
職員がその日その日をこなすようなシステムではなく、やりがいをもって働き続けられるシステム作りが必要なのではないかな
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井手公正 (月曜日, 13 11月 2017 00:01)
また次回の投稿も楽しみにしております。