イースター休暇も終わり、昨日から通常授業が本格的に始まった。
イースター期間は首都「コペンハーゲン」や、北ヨーロッパ最古の歴史を持つ「リーベ」に遠足へ行ったり、学校の近くで開かれたチャリティマラソンに参加したり何かと充実した日々を過ごすことができた。そして最近、毎日様々な国の学生とビリヤードやバレーボールをしている、
今回はそんな私が体験している、デンマークのフォルケ・ホイスコーレ(国民高等学校)の魅力について書いていこうと思う(上記:現在通っている学校Nordfyns Højskole)
ここがすごいぞフォルケホイスコーレ
まずは前回書いた10個の驚きの詳細から始めよう。
- 授業がない
- 障害をもつ学生との自然な助け合い
- 年齢も関係ない
- 性別も関係ない
- 国籍が多様
- 自然に学びが生まれる
- 遊び場が充実している
- アクティビティが充実
- 自由な時間が長い
- デンマーク語と英語とアフリカの言語のバースデーソング
1.授業がない?
フォルケ・ホイスコーレで学び始めて、最初に体感する大きな違いの一つが授業形態であろう。フォルケは、座学よりも実学に重きを置いている教育機関であるといえる。
ここでは、メインクラス(私の場合はシティズンシップと社会福祉)の他に、音楽・アート・工作・スポーツ・アウトドア等のユニークな授業を取ることができる。そのどれもが実際の体験や対話を通じた学びを目的としている。同じ興味や趣味を持った者が授業を通して自然と他者と対話し、協力していく。知識の部分だけではなく、社会に出るために必要不可欠な協調性や社交性を自然に身に着けることができるプログラムなのではないかなと体験して感じている。
授業を通じて、国籍や世代の違う人たちと協力することで、その後のつながりが形成されていく。例えば、デンマーク語のクラスで一緒のイタリア人の子とは、授業時間外でデンマーク語を一緒に勉強したり、バレーボールをしたりしている。
ガーデニング(野良作業)クラスで一緒のデンマーク人の子達とは、毎朝デンマーク語で挨拶を交わし、ガーナ出身の子とは自分の国の農業との違い等を話し合ったりしている。
2.障がいを持つ学生との自然な助け合い
フォルケ・ホイスコーレは全寮制の教育機関である。
私の通うフォルケ・ホイスコーレでは、様々なバックグラウンドを持った学生が共に暮らしている。その中には、私のような外国人、立ち止まって将来について考えたい人、家庭内の複雑な事情があり社会福祉士の紹介で来た人、ダイエットが必要な人、精神障がいをもっており社会福祉士の紹介で来た人、また難民として避難してきた人もいる。
そんな学生たちが同じ教室で授業を受け、同じ場所で食事を取り、生活している。ダイエットコースの生徒が車いすを押してあげていたり、精神の障害を持つ学生と日本語でコミュニケーションしたり、デンマーク語でコミュニケーションしたりで自然と関わっていく。ここでは、障がい者という一括りでなく、それぞれの個性として受け入れられている。
3.年齢も関係ない
フォルケホイスコーレの大きな特徴の一つであるのが受け入れ窓口の広さである
年齢も18歳以上であれば誰でも申し込むことができる(その際英語が話せるかどうか等について質問されることがあるが、話せなくても入学自体は可能である)。
18歳から70代の人まで、様々な年代の人が同じように暮らしている。野良作業では年配の方の知恵が生かされ、若者の体力が生かされる。
4.性別も関係ない
まず生活している寮に男女の区別がない。もちろん部屋には区別があるわけだが、男性の住む部屋の隣に女性のすむ部屋があったりで区別はされていない。
フォルケには選択科目があり様々な科目を選択できる。フィットネス(筋トレ)やレースサイクリングのように体力が必要な科目を女性が選択することができるし、ジュエリーやクッキングの科目を男性が選択することもできる。
5.国籍が多様
前述したと思うが、ここでは様々な国籍の学生が生活している。アフリカから来たものもいれば、ヨーロッパから来たものもいる、また中東やアジアからも学生は来る。
食卓では様々な国の学生が集まるので飛び交う言語も多様だ。デンマーク語で話している声もあれば、英語での会話もあり、日本語やトルコ語、アフリカの言語、シリアの言葉等カオス状態である。髪型や服装の違い等、身近な文化の違いに触れることができ、とても良い経験になっている。
6.自然に学びが生まれる
前述のとおり、フォルケは多様性に富んでいる。そのため日常の些細な会話でも学びにつながる。例えば、英語やデンマーク語などの語学は自然と身についていく。普段の英会話でも「ng」の発音と「r」の発音の仕方など、欧州の友達から指摘され意識するようになった。デンマーク語も、こちらの学生に毎日指導を受け少しづつ覚えてきた。
文化についても、クラスや課外活動を通じて生まれる会話の中から様々なことを学んできた。アルバニア人がダンスが得意なこと。ガーナやカメルーン人は、ラップを作るのが上手いこと。ネパール人はバッファローを牛の代わりに食べていること等毎日が新しく面白い。
7.遊び場が充実している
私の通っているフォルケには、バドミントンやバレーができる体育館、そしてビリヤードができるCAFEがある。CAFEの中には様々な種類のボードゲームやカードゲームがあり、いつも賑わっている。自転車でボーゲンセの町に出れば、大きなジムやプールも利用可能で、毎日楽しい。こっちに来て、ビデオゲームや携帯ゲームなど液晶画面と向き合う時間が少なくなったような気がする。遊びの中で生まれる会話も大事にしているのだろう。
8.アクティビティが充実している
私の通っているフォルケでは、毎日夕食後にアクティビティが用意されている。先生方が主体で行われるものもあれば、学生たちが自主的に考案するものなど様々だ。
夜7時からプールに行くこともあれば(夜7時といってもデンマークではまだ明るい)、フットサルに行くこともある。毎週月曜日の夕食後には、ジュエリーづくりのアクティビティがあり、自分で作ったジュエリーを購入することができる。私は。バレーボールのアクティやデンマーク語のワークショップによく参加する。私は毎日22時過ぎまで友達と過ごしており、なかなか充実した学生生活を送っている。
9.自由な時間が長い
私がこの学校で最も魅力に感じているのが自由な時間の長さだ。授業は9時に始まり15時に終わる。(終わるのがとても早い)10時半ごろには30分近くのティータイムがある。(フルーツやクッキーなど食べることができる)授業中も比較的自由なことが多い。お茶を取りに行ってもいいし。疲れたら外の空気を吸いに行ってもよい。放課後の時間は夕食まで3時間あるので町に買い物に行くこともできるし、ジムで体を動かすこともできる。私の場合、イタリア人やネパール人の友達とバドミントンやビリヤード等をして過ごしている。
10.デンマーク語と英語+@のバスデーソング
誕生日のお祝いは夕食の時間に行われる。驚きなのがバースデーソングの正大さだ。
まず、校長先生のモーセが誕生日の人と祝辞を言う。その後息の合ったデンマーク語のバースデーソングの大合唱が行われ、それが終わるとグローバルクラスの学生から英語のバースデーソングが送られる。それで終わりかと思えば、ガーナ出身の生徒たちが迫力のあるアフリカ語?のバースデーソングが始まりとても盛り上がる。
まとめ
フォルケのすごいところを少しだけまとめてみたが、毎日が新しい発見や驚きに満ちている。全く違う新しい土地で今まで出会うことのなかった新しい友達と協力し、助け合いながら過ごす。この多様な環境だからこそ、人間的な成長、社会的な成長が生まれるのであろう。
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